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2024年10月22日 (火)

noteで福笹文庫始めました

noteで福笹文庫始めました。

こちらのブログだとあまり本のことばかり話すのもいかがなものか、と思うので、本の紹介及び新聞記事の紹介を中心としたnoteを開設しました。

むしろこちらの方がこまめに更新できるような気がしますのでお立ち寄りくださいませ

note 福笹文庫

 

2024年10月11日 (金)

事務所通信300号を達成しました

おかげさまで、事務所通信300号を達成しました。

歴代の編集委員の皆様に感謝するとともに、御目通しいただいている皆様に深くお礼申し上げます。

 

平成11年からなので、そのころの一番の話題は2000年問題と会計ビッグバン。

時代を感じますね。

紙媒体での配布とデジタル化で悩みどころではありますが、時代に合わせて事務所と顧問先、関係先の皆様とつながる通信であり続けたいと思っております。

今後ともよろしくお願いいたします

なお、出来立てほやほやの300号はこちらからご覧いただけます。

 

 

2023年1月11日 (水)

癸卯始まりました

仕事始めの後、成人式を含む三連休が明けました。多くの学校でも新学期が始まり、概ね通常の活動に戻ったのではないでしょうか。

とはいえ、お正月関連の行事はまだ続いております。

昨日は、十日恵比寿。商売繁盛の神、恵比寿様のお祭りです。鹿児島でも宇宿の神明神社がえびす祭りを行っています。

その縁起物の一つに「大福帳」があります。

大福帳は江戸時代の商家の帳簿ですが、一年間使う帳簿を年始の四日、もしくは十一日に新しく紙縒りなどで綴じ、大福帳と表書きして商売繁盛を記念するのが「帳綴」という風習であると歳時記にありました。

今ではこの風習は廃れていますが、江戸時代から帳簿が大事にされてきたことの証でもあります。

電子化の動きもあり、紙の帳簿は少なくなっていくかもしれませんが、会計帳簿に記載される情報を経営に活かすことの重要性は厳しい社会情勢のなか増してきます。

今年も私たちは、会計・税務の面からお客様の経営をサポートしてまいります。今年もよろしくお願いいたします。

 

2022年12月30日 (金)

どうぶつ会議(令和4年の読書日記1)

令和4年の今年の漢字は「戦」でした。この字が選ばれてしまった、即ち選ばれる状況があるということに哀しみと恐れと怒りが複雑にからみあったものが胸にわだかまっています。

2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が起こり、いま終結を見ていません。多くの市民の犠牲、戦争犯罪の報道もあり、人が人でなくなる戦争の残酷さを見せつけられています。

ロシア(旧ソ連)は、第二次世界大戦時に過酷な独ソ戦を体験しています。

「独ソ戦」はもっとも過酷な戦場のひとつでソ連の死者は約2700万人と言われていて、参戦した諸国の中でも突出した犠牲を出しています。この戦にソ連からは百万人を超える女性兵士が従軍しました。共産主義のもと男女平等の建前もあり女性兵士たちは、看護や後方支援だけでなく狙撃兵、飛行士、爆撃手など最前線に立つ兵士の職責を担いました。これら女性兵士、五百名以上からその体験を丹念に聞き取り「証言文学」という形にまとめたのが『戦争は女の顔をしていない(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著 三浦 みどり 訳 /岩波現代文庫 社会)』です。

アレクシエーヴィチは、今まで戦争が「男の言葉」「男の視点」からしか語られていないことに疑問を抱き「女性兵士たち」の声を拾い集め、集められたたくさんの声が響きあう一つの作品として結晶させました。戦場の苦しみ、おぞましさ、愚かしさが生き延びた女性兵士の声を通して無惨に死んだ者の声すらも聞こえてきて背筋が寒くなります。

しかし、女たちの慟哭がいかに戦争が最悪の選択であるかを教えてくれているにもかかわらずロシアはウクライナに武力侵攻しました。指導者が最悪の意味での「男の顔」で「男の言葉」で戦争を語るのが不気味で恐ろしいのです。そして、その情勢を受けて発言する各国の指導者たちもまた語るのは「男の言葉」に感じます。

 去年の冬に始まった戦闘は季節が廻り、また冬が来てもなお戦闘はまだ続いています。極寒の地で苦しむ人々のためにも一刻も早い終結を祈るばかりです。

 今年は、この世界情勢に影響された本を多く読みました。

『ドストエフスキー 黒い言葉(亀山郁夫 著 /集英社新書)』もそのうちの一冊です。

ロシア文学者の著者が、激動の時代に激動の人生を生きたドストエフスキーが人間の根源について洞察し文学へと昇華させた言葉を選び解説しています。金銭や貧困、暴力、疫病、信仰などについて語られるドストエフスキーの言葉が現代の私たちにも生々しく響いてきます。

2021年、ウクライナ侵攻の数か月前に博物館のドストエフスキー生誕200年記念式典に出席したプーチン大統領は、メッセージ帳に「ドストエフスキーは天才的思想家」と書いたとして話題になりました。プーチンは、ドストエフスキーの側面のひとつを自分の政治的信条に重ねて利用していると言われています。

そういえば、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』では「父殺し」がテーマのひとつであり父と息子たちの関係を軸として物語が展開する、つまり「男の言葉」が綴られるの物語だったな、と思い返しています。

 そして、この殺伐とした世界を救う糸口を探して同じくロシアの文豪であるトルストイの『人は何で生きるか』を読みました。夏にNHKの番組『100de名著forティーンズ』に取り上げられていたので久々に、かつ新たな視点で読むことができました。

『人は何で生きるか』『人間の中にあるものは何か』『人間に与えられていないものは何か』の3つの問が物語の中で提示されます。そして、お互いがお互いを慈しみ助け合う気持ちが『愛』であり、その『愛』があることで人々は生きていくことが出来ると物語を通じて説いていきます。

 人は善にも悪にも揺れ動き、環境によっては普通の人がどこまでも残忍になり得ます。だからこそ人はそれぞれの心の中の「愛」を大切に育てる必要があるのだと思います。

 トルストイは、絶対的非戦論者としても知られていますが、戦争はまさに人の心の善きものを奪い尽くしてしまう最たるものです。

その悲惨さを歴史のなかで幾度も繰り返しているのが人間であり、そんな人間に愛想をつかして立ち上がったのが動物たちです。

『どうぶつ会議 (エーリッヒ・ケストナー 著 ヴぁルター・トリアー 絵 光吉夏弥 訳/岩波書店)』は、1949年にケストナーが書いた児童書です。第二次世界大戦後,世界平和のための国際会議と言いながらすこしも成果があがらないことに業を煮やして動物たちが「かわいそうな人間の子どもたちのために」と動物会議をひらきます。動物たちが人間の大人たちに突き付けたのは『僕たち動物は、二度と戦争がおきないことを要求します!』ということ。人間たちはそれに対してどのような答えをだすのか。物語の中では動物たちと政治家は最終的にある合意をします。

 その内容が印象的なので引用します。

『1 すべての国境をなくす 2 軍隊と大砲と戦車をなくし戦争はもうしない 3 けいさつは弓と矢をそなえてよい。けいさつのつとめは学問が平和のためにやくだっているかどうかをみることにある 4 政府の役人と書類のかずはできるだけすくなくする 5 子どもをいい人間にそだてることはいちばんむずかしい仕事であるから、これからさき教育者がいちばん高い給料をとるようにする』

 戦争と平和についてもそうですが、警察や官僚組織の在り方、学問(科学)の在り方、教育者の在り方など今の社会課題に対して考えさせられる条文です。

 残念ながらこのお話のように人間たちのために立ち上がってくれる動物たちはいません。だからこそ人間は自ら自分たちの課題に向き合わなければいけないのだと思います。

2022年12月29日 (木)

令和5年度税制改正大綱

令和五年度の与党税制改正大綱が公表されています。

 今回、NISAの改正やインボイス制度の円滑な導入のための措置などが盛り込まれています。これらについては議論の過程なども報道されていたのですが、防衛増税に関してはあれよあれよという間に俎上に載せられていたような印象を受けました。

 税は、国と社会を支える財源です。どのような国、社会にしたいのかを政策で示し、政策を実行するために予算を組み、その財源となるのが税です。

 税をどうするかの議論は、納税負担の多寡、増減だけの問題でなくて私たち国民が自分たちの国をどのような国にしたいのか、未来を語る議論です。国防の在り方や震災からの復興などあるべき姿を真摯に討議してからの税制ではないかと思っています。

 それはさておき、今回の税制改正は、「個人や企業、そして地域のポテンシャルを最大限引き出すとのメッセージを税制において具現化」したものとされています。

 主な内容のうち、私が関心のある点を簡単に示しておきます。予算案も公表されていますので、併せて確認しておきたいところです。

1.「貯蓄から投資へ」と家計の資産を振り向け「資産所得倍増プラン」実現につなげるためNISA制度を非課税保有期間を無期限化し、口座開設可能期間は期限を設けず恒久的措置とする。

2.個人所得課税では、高所得者について負担適正化措置を導入する。

3.資産課税では、相続時精算課税制度に基礎控除の導入を行う等の見直しや暦年課税制度の相続開始前贈与の加算期間が7年に延長される

4.法人課税では、研究開発税制の対象となる試験研究費の範囲や税額控除率等の見直しを行う。

 また、外形標準課税の対象から外れている実質的に大規模な法人について制度的見直しを検討する

5.消費課税では、小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置(免税事業者がインボイス発行事業者になった場合の納税額を売上税額の2割に軽減する3年間の負担軽減措置)や、中小企業者等に対して事務負担の軽減措置(課税売上高が一定以下である事業者において、1万円未満の支払について帳簿のみの保存で仕入税額控除を認める経過措置)等を講ずる

6.納税環境整備として、電子取引について緩和措置を設ける

7.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置を行う。法人税は新たな付加税(税率4~4.5%)を課す。所得税に新たな付加税(税率1%)を課す。復興特別所得税の税率を1%引き下げ、課税期間は延長する。たばこ税は一本当たり3円相当の引き上げを行う。

2022年3月30日 (水)

年度末を迎えて

春の嵐に翻弄されつつも桜も満開になり三月末となりました。多くの法人で年度末を迎えます。

部門間資金移動、仮払い、立替の精算、費用の支払いなど資金移動を伴う事項は確実に行われているか、3月末を期限とする届出や申請などが漏れなく行われているかなどを確認しておきましょう。

 今月の半ば、所得税等の確定申告の際には、e-Taxの通信障害が起こりました。国税庁からは「3月 14 日から発生したe-Taxの接続障害への対応等」という文書が公表されています。この障害に伴う所得税等の隠し申告の個別延長期間が415日まで認められることやこの障害で個別延長となった場合に65万円の青色申告特別控除の適用を受けるために必要な手続きなどを示されています。

事務所では何とか期限内の提出を終えましたが、何事早めに対処するのが肝心と改めて思ったところです。これから法人の決算が集中しますので、慌てないようにしたいものです。

3月末で異動の決まった方も多くいらっしゃいます。ご縁のあったことに感謝しています。

2022年2月 3日 (木)

寅年にトラのこと

令和4年の一月も早くも過ぎ去り、二月三日節分となりました。

新年のご挨拶を述べる機会を逸してしまいましたので、事務所通信に載せた1月分の随想を転載します。

事務所通信は上川路会計メールマガジンでも配信しています。興味のある方はご登録よろしくお願いいたします。

(http://kamikawaji-kaikei.com/)

なお、随想では毎年一月は干支にちなんだ話題を選ぶようにしています。今年は「寅」。この機会に調べてみたのですが、トラの置かれている状況はかなり深刻です。WWFジャパン(https://www.wwf.or.jp/)で今、トラを守るキャンペーン「トラに願いを」を行っています。こちらもぜひ見てみてください。

「虎と未来へ」 より

毎年、読み初めの本は何にしようか考えます。干支にちなんだものなら絵本「ちびくろさんぼ」も良いですね。お話の最後にトラがお互いのしっぽに嚙みついて木の周囲をぐるるるるる・・・と回っているうちにバターになり、そのバターで焼いたホットケーキを高く積み上げる場面の魅力は格別です。

「ちびくろさんぼ」は、インドに駐在していたヘレン・バナーマンによって1899年に初めて出版されました。このお話が作られた約百年前には、トラはインドも含めアジアの広い範囲で約10万頭いたそうですが、現在では約3千頭にまで急激に数を減らし絶滅の危機に瀕しています。

元々日本にはトラがいないので遠い外国のことのように思いがちですが、この危機には私たち日本人も大きな責任を負っています。

トラの激減の二大要因は、密猟・乱獲と森林減少です。

トラは、毛皮が観賞用として、また骨などは漢方薬の材料として求められてきました。日本もかつては世界でも最大級の市場であり取引が禁じられた後も密輸されているといいます。密輸してまで買わないよ、という人が大半だと思いますが、そんな一般的な人でもかかわっているのは、森林の減少です。この百年間でトラがすむ森が 95%失われました。

 森林の減少の最大の要因となるのは、木材や紙、天然ゴム、パーム油(植物油)など日常生活に欠かせない資材を生産するための開発です。私たち日本人(日本企業)はこれらの資源や農産物を大量に東南アジア、即ちトラの生息域から調達しているのです。

 これらの課題を資本主義が孕む本質的な問題として論じているのが昨年話題になった新書「人新世の『資本論』」(斎藤幸平/集英社新書)です。絶えざる成長が不可欠な資本主義社会では、中核部(先進諸国)は周辺(途上国)から資源を搾取し環境負荷を押し付けることで発展し続けてきました。しかし、グローバル化により既に搾取すべき周縁部が無くなっていること、また、地球そのものが限界に来ていることで現在の全世界的な気候変動危機が起こっていること、そしてこの危機に対処するためには今ある資本主義に基づく社会経済システムの本質的な見直しが不可欠ということを明快に論じています。

昨年は多くの識者がそれぞれの立場から「資本主義」は今後どうあるべきかを論じているのを見聞きしました。岸田首相も「新しい資本主義」を掲げているようです。まだ首相の「新しい資本主義」がいかなるものか、また具体的な政策は何かはわかりませんが興味深く注視しているところです。

 「ちびくろさんぼ」は、世紀を超えて多くの子供たちに愛読されましたが一時期差別問題に絡んで絶版になりました。そのため「トラがぐるぐる回ってバターになる」というイメージが伝わらない世代があるそうです。このまま手をこまねいてトラが絶滅してしまえば「トラ」のイメージすら伝わらないという悲劇がおこってしまいます。

1年の計は元旦にありといいますが、自分自身の、また事業所の目標だけでなく広い視点で世界の課題に対してどのように向き合うかを考える機会にしたいですね。

2021年11月10日 (水)

社会福祉連携推進法人制度

令和4年度から、「社会福祉連携推進法人制度」が施行されます。

社会福祉連携推進法人は、社会福祉法人等が社員となって社会福祉サービスを提供する事業者間の連携・協働を図るための取組等を行う新たな法人制度です。

現在課題となっている福祉・介護人材の確保や、法人の経営基盤の強化、地域共生の取組の推進などを協働で解決することが期待されています。

法人制度や業務について、会計に関する事項などを詳しく解説したまとめページが厚生労働省のホームページ内に開設されています。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20378.html

 私もこの新しい制度が厳しさを増す社会福祉法人の経営を考えるにあたり、どのようなことが出来るのかその可能性を研究していきたいと思っているところです

 また、研修会も企画中なので詳細が決まり次第ご案内します。

2021年9月14日 (火)

新型コロナウィルス感染症 鹿児島県の事業者向け情報

鹿児島県では、先月、8月20日からのまん延防止等重点措置の適用を受けています。

新規感染者数は一定の数に抑えられているとはいえ、病床使用率が依然として5割近くの水準にあることなどの状況をふまえて、まん延防止等重点措置の延長が決定されました。9月30日までの期限となります。

 鹿児島県の事業者向けの情報は、県HP以下のサイトにまとめられていますが、まん延防止重点措置を受けて新たに追加された事項もあります。確認しておきましょう。

https://www.pref.kagoshima.jp/kenko-fukushi/covid19/jigyousya/index.html

パラリンピックを観戦して

この夏、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、終了しました。

コロナ禍での開催については疑問がありました。選手の皆様の活躍も見られて感動したからよかったね、で終わらせるのではなく開催したことによる感染状況への影響や五輪開催関連費用についての検証を多面的に行いその結果を共有化することで次世代への教訓となると思います。

それはそれとして、今回、パラリンピックを開会式・閉会式も含めて様々な競技の観戦をしっかりとTVを通じてみることが出来たのは嬉しかったです。

 特に「我々には翼がある」の開会式、「調和する不協和音」の閉会式どちらも魅力的でした。心身の状況が様々な方がともに同じ場にあって一つの舞台を作り上げている様子が充足感と安らぎに満ちているように感じられました。

 現実の社会では私たちが何らかの障害のある方と学んだり働いたりと共に活動する機会はそれほど多くありません。今は実現できていないけれど、遠くない未来にこのような社会になるにはどうすれば良いか考えるきっかけとなりました。

 「パラリンピック」という呼び名が出来たのは1964年の前回の東京大会でした。その当時は車椅子を利用する人のスポーツ競技大会だったため「パラプレジア(下半身まひ)」のパラとオリンピックを掛け合わせて通称としました。

 今ではオリンピックと並行して行われる「パラレル」のパラを意味しているとのことです。しかし、「パラレル(並行)」では、どこまでいっても両者が交わることがないということになってしまいます。

「パラリンピック」という言葉は日本で生まれたという経緯もあり、語感も良いですが、何か別の名前に、そしていずれは殊更オリンピックと分けて呼ぶ必要がなくなる時が来た方が良いのかもしれません。

 さて、今後、性別、障害の有無、国籍などの「多様性」については事業所でも重要な課題になってきますので、経営者も自らの価値観を柔軟にする必要があります。

 最近、多様性を考える良い絵本を見つけました。

 「はじまりは、まっしろな紙 日系アメリカ人絵本作家ギョウ・フジカワがえがいた願い」というフレーベル館から出版された絵本で「町のなかでも、絵本のなかでも、はだの色で人をわけてはいけません。」が惹句です。

 1960年代初めのアメリカで絵本の中に初めて白人、黒人、黄色人種の子供たちを同時に登場させた絵本作家の伝記です。1908年生まれの藤川尭(ギョウ・フジカワ)は、戦時中に家族が日系人収容所に送られるなどの体験を経ながら1998年に亡くなるまで数多くの絵本を遺しました。

 私も興味を持って「Babies」というその画期的な転機となった本を取り寄せました。ぷくぷくっとした色々な人種の赤ちゃんたちの仕草は、肌の色の違いはそれぞれの愛らしさを生み出すもとであり、それ以上でもそれ以下でもありません。

 ギョウ・フジカワが取り組むまで、こんな当たり前のことさえも実現されていなかったことに驚きを感じますが、自分と異なるものを受け入れるのは本当に難しいこともわかります。

 私自身が固定的な価値観に全くとらわれていないといえば嘘になりますが、少しずつでも心の可動域を広げていきたいと思っています。

«秋の始まり。適格請求書発行事業者登録申請も間もなく始まります

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